船を下りるとおんぼろの護送車がやって来た。密入国がばれたかーと半分あきらめていたのも束の間、入国審査所に連れて行かれた。なんの問題もなく手続きが終わると64人は2つのバスにわけられ出発した。自分の乗っていたバスにはガイドがついた。いかにも中国人といったかんじの馬(ま)さん。またの名を「美脚の馬」と呼ぶ(男)。その洗練された生っ白い脚をことあるごとに披露していた。
バスは途中、茶屋へ行った。店員は流暢に日本語をしゃべりいかにも観光客なれしているかんじだった。いろんなお茶を大量に飲まされたため、店を出るときにはトイレに行列ができた。こういうとき、男のほうは流れがスムーズだが、女は大変だ。
そして豫園に着いた。あとから知ったのだがここはかなり有名どころらしい。地球もシルクロード版は買ったが、上海については全くノーマークだった。なんだか歴史的建造物を見させられて自由行動になった。最初、男17人は一緒に行動していたが、だんだん思い思いに散っていく。結局おれらは染とhanzoと4元の4人になった。腹が減ったのでフードコートのようなところでラーメンなどを食べる。1食あたり1〜2元!1元=約15円だから30円も出せばかなり腹いっぱいになる。このときが中国での初買い物であったがまざまざと物価の安さを見せ付けられた。
豫園はすっかり観光地化しているようで、スタバもありモスもあり、偽ロレックスを売りつけてる奴もいた。だがちょっと離れると中国人の生活が見える住宅街がある。むしろそっちのほうが面白かった。
次の日、西安に向けて出発するまでの自由行動の時間に染と二人で金茂タワーに行った。上海ではけっこう高いビル。たしか展望台の高さでも東京タワーのてっぺんより高いはず。展望台に行くと上海の街並みがよく見える。高いビルやらマンションやら建設ラッシュが続いていた。きっと今、上海に行ったらまた違った姿が見られるかもしれない。
上海の面白いところは高層ビルやマンションの隣には置き去りにされたような古臭い民家や建物があるところ。光と陰といったところだろうか。経済発展は著しいかもしれないが、人民の心はその発展についていけていない感じがした。
金茂タワーの内部は吹き抜けになっていて、展望台から地上フロアまで見下ろすことができる。外を見下ろすのとはまた違った怖さがある。
タワーの近くで昼飯を食べることにした。粥を2人分とデザートを頼んだ。しかし、頼んだもののお茶は何度ももってくるが肝心の粥が来ない。集合時間に間に合うのか不安になるがこのまま食べないで帰るのもなんかむかつく。そしてようやく来たと思ったらすごい量の粥がでてきた。とても2人で食べきれる気はしない。まだ間に合うだろうとがんばって食べたが、結局途中でやめて出てきた。もう明らかに遅刻の時間だ。地下鉄を乗り継ぎ、駅を出てホテルまで走ったが道を間違えて20分くらい遅刻した。もうみんな集合してバスに乗ったりしていた。どうやら遅刻したのはおれらだけのようで、かなり申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
そんなかんじで上海駅から寝台列車に乗り西安を目指した。
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