豪華客船と聞いていたわりにはしょぼい船だった。なんせ小さいし設備は悪いし食事はまずいし高いし。無料の朝食では、こんなにまずくできるのかと驚くくらい激マズのコーヒーがでてきた。もし誰かにおすすめのコーヒーを聞かれたら自信を持って新鑑真号のコーヒーを薦めたい。
上海までの丸2日間、これといってすることもないのでよくデッキに行ってボーっとしていた。風を感じ、青い海を見て、遥か向こうにあるであろう陸を探した。船から見える景色とあまりに暇な時間のせいで、目の前の旅のことよりその先のずっと先の人生のことを考えてしまった。船の上には家でゴロゴロしているときとはまったく別の暇な時間がある。夜になると空の半分が星空になった。この船の上から見た星は今までの人生の中で最も素晴らしかった。ちょうどこのときはペルセウス座流星群がよく見えた時期で、もうこのまま旅を終えてもいいというくらい最高に綺麗な夜空に満足だった。
8月15日、朝起きるともう揚子江に入っていた。船は上海港に着く。港は海岸沿いにあるわけではなく、揚子江を上っていったところにある。
大陸の匂い…。一見しただけで異国と感じられる。これから始まる旅にわくわくしながら、いざユーラシア大陸初上陸!
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