ウルムチから上海までは寝台列車で2泊3日。地獄的苦痛の時間だ。だが、列車の中で新たな楽しみを見つけた。hanzoと食堂車にめしを食いに行った。なぜか鉄道警察のおっちゃんが注文をとっていたのが不思議だった。この適当っぷりがまたいい。漢字で何の料理だかわからないが勘で頼むと、それが見事にうまかった。実は食堂車のめしはうまいんじゃないかってことになり、その後何度か食べに行ったが、他の料理は激マズで最初に食べたのが奇跡的にうまかっただけであった。ビールもなまぬるいし、スープなんてどうしたらこんなまずくできるのか不思議だった。だが、酒の弱いおれにはとてもうまく感じられた、アルコール度が5%くらいで一瓶6元の葡萄酒。これにはまってしまった。寝台列車2日目の昼から、この葡萄酒を敦煌で買った夜光杯についでガバガバ飲んでいた。途中、リミッタが解除されて我を忘れて飲みまくった。この旅のストレスが全て酒にぶつけられ、やばいのはわかっていたが止められなかった。もう、どうにでもなれってかんじ。そう、たまたまこの列車のおれらより一つランクの高い号車にトルファンで会った広島大の医学部の二人が乗っていた。その偶然の再会もまたうれしかった。彼らも腹がやばいらしく、トイレットペーパーを抱えてベッドとトイレを往復していた。彼らは西安で降りたのだが、ホームまで降りて見送ってたら馬さんたちに怒られた。まぁこのときにはできあがってたからどうでもよかった。
案の定、飲み終わって落ち着いてくると気持ち悪くなって、トイレへ。紫色の液体が何度も出てった。人生初、酒に酔って吐いた。気持ち悪さは全く止まらず、「おれ何してんだろ?」って疑問に思いながら涙が出てきた。こんなボロボロになりながらなんで旅してんだろう、ってね。まぁこれも後から考えりゃいい思い出だけど。気持ち悪いまま寝たが、次の日にはなんとか治っていた。
朝起きると、今日の夜、上海のホテルで及川さんに感謝の意味で班ごとに出しものをしようってことになっていた。おれはこういうのが大の苦手。芸無し人間のおれとしては避けて通りたかった。だが断るわけにもいかない。夜が憂鬱だった。
上海に着いて何したかな…全く覚えてない。夜は上海雑技を見に行くことになっていた。ホテルからタクシーで行くのだが、なぜかおれは同じ班の女3人とになってしまった。上海雑技はすごかった。やつらは人間ではない。何度も何度も感動させられた。
ホテルに帰ってきて、例の出しものの時間になった。これは酒の力を借りて頑張った。誰にでも消したい過去ってあると思うので、以下略。
次の日は自由行動。実質、この旅の最終日。まず、hanzoとお土産を買いに豫園に行くことに。同じく豫園へ行くという女2人とタクシー相乗りして行った。豫園では友達のパンツ好きにパンツの土産を買って終わった。そして、hanzoと別れて一人行動。まず上海の賑やかななんとか通りに行ってマッサージされた。日本でマッサージなんて恥ずかしさもあって行けないが、海外だとけっこうあっさり行ける。そして、吉牛に行った。実は旅の序盤から牛丼が恋しくなっていたが、日本に帰ってからの楽しみにとっておくため、このときはチキンを頼んだ。今でこそ日本でもいろいろあるが、中国でもニューヨークでも、海外の吉牛はメニューが豊富だ。その後、上海の電気街なるところへ行った。安いPCパーツがあれば買おうと思ったが、そうでもなかった。それに午後6時になると次々と店が閉まりだし、結局何も買えなかった。外灘に戻って、上海初日に行った茶屋を探した。どこにあるか定かではなかったが、外灘を最後まで歩くとあった。んで、お茶を土産用に大量に買ってまた外灘を歩いた。夜の外灘はライトアップされてとても綺麗。人も多くにぎわっていた。しばしボーっとしてからホテルに戻り、一旦荷物を置いてから待ち合わせの場所に行った。昨日、ちゃんが小室プロデュースのROJAMって店に行かないか?とみんなに提案してたのだ。おれも誘われたから行ってみた。まぁいわゆるクラブだが人生初だった。当然、店の中は暗くて何がなんだかわからなかった。「ビールビール」言って近づいてくる女もいて、店員かと思ったらただの売春女で、とりあえず店員も含めて近づいてくる奴は全員追い返した。やっと状況が飲み込めてきて酒を頼んだ。そして酔いに任せて踊りまくった。どんどん中へ中へと入っていった。なぜか日本の「それが大事」がかかっていて面白かった。叫んだり踊ったり、その時を楽しんだ。せっかくだからお立ち台みたいなところに上がってみたくなり、染と二人で上がることにする。順番がやっと来て二人で上がりバカみたいに踊りまくった。おれは途中、落下してしまったがまたよじ登り、踊った。最高に気持ちよかった。日本では勇気がなくて絶対できません。海外だからできるのです。
そんなかんじで上海の最後の夜はとても楽しかった。次の日はもう、日本に帰るだけ。港で、馬さんに感謝を込めてワインをプレゼントしたが、渡した瞬間、落として割ってたのが面白かった。
出国手続きを済ませて船に乗る。船は行きと同じ。さすがにこのときになると寂しさもあったが、日本に帰れる喜びのほうが大きかった。
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