7時起床。8時朝食。固いアラビアパンにジャム、熱いミルクティーとジュース。リスボンでもそう感じたが、こっちの朝食はとても質素だ。しかしこの旅で初めて体調が良くなったので、全部食べた。もうたかってくるハエなんて気にならんと思っていたが、3センチくらいのボス級のハエが居たのにはさすがに驚いた。荷物をまとめ、YHを出る。フロントに誰も居なかったが、料金は前払いだったので何も言わずに去った。
まだ10時前だが、日差しが強烈でとても暑い。15分ほど歩いてラバト駅に着き、切符売り場のようなカウンターで「マラケシュ、マラケシュ」と連呼。するとレシートのようなペラペラの切符が出てきた。良く分からないが、101DHという値段からして2等だと思われる。近くに居た駅員に聞いて、2番のプラットフォームへ。リスボンで買ったチョコを舐めながら20分ほど待っていると、列車が到着(意外と列車の本数は多く、ラバト⇔カサブランカ間を通勤しているサラリーマンが結構居る)。乗る前やコンパートメントに座る前には逐一近くの乗客に切符を見せて確認を取る。面倒だが、致命的な失敗をしそうになった後なので仕方が無い。10時20分に発車。
列車の旅はなかなか快適で、3時半にマラケシュ着。マラケシュはさらに暑かった。バス停を探すのも面倒なのでメディナまで歩くことにしたが、この炎天下の中歩くのはかなり大変だった。帽子を被っていても、頭がくらくらする。30分ほど歩いたのち、ようやく城壁を越えてメディナへ。少し進むと賑やかな音が聞こえてくる。ジャマ・エル・フナ広場。行くちょっと前にTBSの世界遺産で見た景色そのもので興奮してきたが、はやる気をおさえて宿を探す。
目星を付けていたホテルを当たるが、2件とも満室。もう夕方だから仕方ないと言えば仕方が無い。予約を取っておくべきシーズンなのだが、今回の旅はあまりそういうことはしたくなかったので、自業自得ではある。どうしようかなーと思ってぶらぶらしていると、客引きが来た。自力で探すのも無理かな、と思って値段を聞くと100DH。予定より3割ほど高かったが、まぁいいかと思い部屋を見せてもらうことに。狭い部屋に裸電球1個、汚い壁に小さな窓、質素な洗面台。日本の三流ホテル程度の部屋を探すと300〜400DHくらいするので、まぁ値段相応だ。今日はダブルしか空いていなく、明日シングルに移るという約束で2泊250DH。とにかくホテルが決まって良かった。
1時間半ほど日記を書き、うまく掛からない部屋の鍵を閉め、部屋の外に出ると旅行客に話しかけられた。「日本人の学生か?」「そうだ」「何を勉強しているんだ?」「エレクトロニクス」「オーすばらしい。また後で会おう。」フレンドリーだ。ホテルの外で今度は現地人に話しかけられた。「日本人か?」「そうだ」「日本の何処から来た?」「トーキョーだ(埼玉と言ってもどうせ分からんだろう)」「そうか、ところでハッパはいらないか?」「いらない」
ジャマ・エル・フナ広場。ものすごい熱気だ。大道芸人を囲んで人の輪がいくつも出来ていて、そこを回るだけでも楽しい。ただ写真を撮るとチップを要求され、これが意外と高い(まぁそれが飯のタネなのだが)。何枚か写真を撮っただけで、たちまち小銭がポケットから消え去った。
夕方になると、何処からとも無く台車が集まってきて、あっという間に数十件の屋台が完成。毎日やってるから当たり前なんだろうけど、この手際の良さは見ていて面白い。ジュース売りの屋台のそばを歩いていると突然「ジャパン・オダユージ!」と叫ぶ奴が居て、つい振り返ってしまう。買わなかったけど、うまい手口だ(ジャパニーズ!だけだと滅多に振り返らない)。まぁ多分、彼らにとってオダユージとゲイシャハラキリは等価なものなんだろが。
腹が減ってきたので、屋台でハリラ(スープ)を注文。美味い。「明日もここの屋台に来てくれ。番号は38番だ。オーケー?」「わかったわかった」別の屋台で今度はカバブとアラビアパン、モロカンサラダを食べる。とても美味い。喉が渇いたので、コーラを2本も飲んでしまった。しかし屋台というのはどうしてこんなにもわくわくするんだろう? 俺が屋台フェチであるという理由も大きいだろうが、何か人間の本能に起因するものであるような気がする。
マラケシュの初日はとてもとても刺激的で楽しいものだった。旅に出てから、ようやく来て良かったと思えた。ずっとこの調子で行けたら良いのだけど、とふわふわした気分で思いつつ、ホテルに戻ってすぐ眠りについた。もちろん、そんな上手くいくわけは無かったのだけれど・・・。
Posted by hanzo at April 20, 2005 01:12 AM | コメント (0) | トラックバック (0) | Clip!!
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