朝5時に起床、まだ外は真っ暗。星空を観ていて何か激しく感じるところがあったが、言葉にはうまく表せない。とても静かで、綺麗な空だったのは確かだ。
6時前に、フロントの中で寝ていた人を叩き起こして鍵を渡し、チェックアウト。何故、こんなに早い時間にチェックアウトしたのか、自分でも良く分からない。CTMのターミナルに向かって歩いているうちに明るくなってきた。例によって道に迷ったり、道を聞いたガキにチップをねだられたりしたが。
CTMのオフィスに着いたが、バスは無いという。1日1便で、まだ全然時間があるようだ。仕方なくメディナに戻り、民営バス乗り場を探す。早くも疲れていたので、チップ覚悟で話しかけてきた男に案内してもらうことにした。バスの料金は50DH。バスの中に水やネックレスの売り子が来たり、何かを演説する男が入ってきたり。モロッコ。それほどマイナーなルートでは無いのに、旅行客は誰も居なかった。みんなやはりCTMを使うのだろうか。
8時半にバスは出発。このバス、とにかくボロくて汚い。ターミナルに並んでいたバスの中で一番汚い。カーテンは小便臭いし、椅子は硬くて狭いし、荷物はバスの上にしか載らないし、何よりバスの中にさえハエがいるのだ! もうこのモロッコの地ではハエと同居することが義務付けられているとしか思えない。まぁ国営のCTMに比べると料金も安いし、選択肢も少ないのだから仕方ない。
隣の席には子供が座っていて、色々話をしてくるのだけど、当然ながら何を言っているのか分からない。でもチョコやら飴やらあげるととても嬉しそうにニコニコしていた。さっきの道を聞いたガキとは大違いだ。
街を抜けると景色は畑になり、すぐ山道になった。一応幹線道路なのだが道はとても狭く、また揺れも酷いので吐いている子供も結構居た。しかしアトラス山脈の景色は凄く、そのおかげで暇にはならなかった。
1時半くらいにワルザザート着。すぐに客引きに捕まる。何かをタダでいい、と言っているようだが良く分からない。面倒なので追い払おうとすると、「お前は分かってない、話を聞け」と言う。何でも、日本人のガールフレンドがいるらしい。そうですか。無視して自分でタクシーを拾うと、握手を求めて「気をつけて行けよ」というようなことを行って去っていった。良く分からない男だ。
タクシーでホテル・パルメラへ。アパートメント形式になっているホテルで、290DH。高いだけあって、中はそこそこ綺麗。もう少し綺麗だったら日本の三流ホテルくらい。まぁ、高いといっても3500円くらいなんだが・・・。
少しだけ街を歩く。マラケシュまでのモロッコとは全然雰囲気が違う。アトラス山脈を越えたこの街は、辺境という言葉がぴったりくるようなところだ。こういう場所は嫌いじゃないのだが、風が強く眼にホコリが入る。ものすごい勢いで入る。ラシッドの言うとおり、サングラスを買っておくべきだった。
ガイドブックに載っている「スーパーマルシェ」という食料品店で買い物。ここでは珍しくビールが売っている。モロッコに来てから酒を全く飲んでないので、ハイネケンを2本買う。他には水、コーラ、飲むヨーグルト(?)と変なクッキー。部屋に戻ってハイネケンを飲んだが、当然のことながらぬるい。体調が悪いせいもあって、あまり美味くなかった。結局この日はすぐ横になって寝た。