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モロッコ・イベリア(1)

イスラム文化圏に行こうと思った。
中国の新疆での体験からイスラム文化に興味を持ったというのもあるけれど、何よりイスラムというのは日本と一番遠い文化なんじゃないか、と常々思っていて、それを自分の目で見たくなったのだ。
モロッコを選んだのは@外務省から危険情報が出ていない、Aヨーロッパが目と鼻の先、というのが主な理由。中東は何処も危なそうだったし、一度くらいはヨーロッパも見ておこうかな、と。それともう一つ大きな要因としては、ヨーロッパ行の航空券のほうが全然安いというのもある(モロッコ直行は意外と高い)。

ということで、石橋を叩くような情報収集を始めた。まずは地球の歩き方とロンリー・プラネットを買い熟読する。ネットでモロッコ関係の情報を片っ端から探す。航空券の値段を調べる。日系・欧州系問わず、9月前半出発の便はどれも15万前後。う〜ん、高いな。
しかし、よく調べてみると一つだけべらぼうに安い航空会社があった。アエロフロート・ロシア航空。文字通りロシアの航空会社だ。値段はなんと97500円。他より3割以上安い。これは何か罠があるんじゃないかと思ったが、罠があったとしても安さには勝てん。これに決めた。
キャンセル待ちになったが、数日後無事手配できた。しかし、予約を取って行くことが決まった途端、とても不安になってきた。安全のためトラブル事例などを調べまくったのがいけなかったのか、かなり悪いイメージばかり抱くようになってしまったのだ。出発日まで何度も後悔し、何度もキャンセルしようかと思った。でもまぁ死ぬわけじゃないし、もしモロッコが合わなかったらずっとヨーロッパ側に居れば良いじゃないか。そう思うことで何とか自分を納得させ、出発日を迎えた。

朝5時半起床。7時20分発。10時に成田空港でチェックイン。
まだ出発まで2時間あるので店をぶらぶら回るが、特にすることも無い。もう日本は飽きた、出国しよう。しかし出国してもすることは無く(当たり前だ)、この先どうなるのかなとぼんやり考えて時間をやり過ごした。

12時ちょうどに出発。ロシアの航空会社だけあって、機内放送はロシア語。全然分からない。この次の放送もロシア語。おいおい、ロシア人以外は無視か?と思ったら、この2回目の放送は良く聞いてみると英語だった。ものすごいロシア訛りで全然英語に聞こえなかった。
その後すぐに飲み物が配られた。勿論ビール。となりのおっさん曰く、アメリカはビールを頼むと金を取られるという(本当か?)。そしてその後機内食。ビーフかチキンと聞かれ、あっさりしてそうなチキンを選択。しかしこれが油ぎっしりで酷いものだった。まぁそれ以外は美味しかったが(機内食「だけは」良い、というのがアエロフロートの評判らしい)。
とにかく暇だった。何しろモスクワまで10時間以上もかかる。時差が5時間あり(サマータイムなので)、17時半にモスクワ・シェレメチボ空港に到着。

このシェレメチボ空港、とにかくボロい。さらに薄暗い。荷物検査に使いそうな機械があったが、動いていないらしい。さすが世界に冠たる大ロシア帝国の玄関口は一味違うな。
乗り換えする客は8人しか居なかった。さらにリスボンに行くのは俺だけ。席は通路側を選択し、あとは良く分からぬまま手続きを終えた。しかしドアから出ようとするとここからは出るな、と言われた。何故? 仕方ないので他の出口を探すが、何も無い。困って人に聞いてみると、さっきの出口から出ろと言われた。さすが大ロシア帝国。
出発まではまだ1時間以上ある。暇だが、米ドルを持っていないので何も買えない(買う気になるものも無いが)。歩き回るほど広くも無いため、持ってきた小説を読むことにした。村上春樹の「ダンス・ダンス・ダンス」。何度読んでも飽きない本を持っていると、旅に出る時に役立つ。日本人は1〜2割ほどしか居らず、ほとんどが東欧系でみなKGBに見える(半分嘘)。もう完全にストレンジャーだ。やっぱロシアは怖い。

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2005年03月06日 23:58に投稿されたエントリーのページです。

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