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東南アジア(6)〜ブルネイ

オールドモスク

8:30頃目が覚めた。昨日のがウソのように体調がいい。やっぱり「100」ドリンクのおかげか。少し食欲も出てきたので、ホテルの朝食を食べに行った。
昨日は寝てるばっかりで気付かなかったが、このホテルはけっこう立派。ビリヤードできたり、プールがあったり、ジムがあったり。ただ、客が少なくてやってる人はいなかったけど。

11:30頃チェックアウトをしてロビーでマザランを待つ。案内してもらうのに遅刻するのは良くないし。適当にホテルの前をぶらついたりして待っていると、12時ちょい過ぎにマザランはやって来た。昨日とは違う車だ。ブルネイでは「ECHO」という名前らしいが、日本では「Vitz」。まさにトヨタのエコカーだ。今日は奥さんも同伴。イスラム女性らしく顔以外は覆っているが、全身黒ってわけじゃなく意外とカジュアル。わざわざ付いてきてくれてありがたかった。
子供たちはどうしているのか聞いてみた。どうやら家で遊んでいるらしい。そんなに子供も大きくないはずだが、家に置いてまでおれのために案内してくれるのだから本当にありがたい。果たして自分が日本にいて、外国人をここまでもてなすことができるだろうか。

まずはヤヤサンというショッピングモールへ行った。昨日、どこに行きたいか聞かれて、答えに困ってショッピングと言ってしまったためだ。べつに行きたくないわけでもないが、これと行って買うわけでもない。でもとりあえず言われるがままに行ってみた。その前に、近くにあるカンポンアイールというこの地方では有名な水上集落を川の対岸から眺めた。池で飼うコイのように、岸に立っていると渡し舟が寄ってきた。よく訓練されているもんだ。舟には目もくれず、マザランに写真を撮ってもらって、ヤヤサンの中に入った。
日本のショッピングモールほどの豪華さはないけど、けっこうきれいな造りだった。ただ客が少ない。人口がそれほど多くないからってのもあるだろうけど、このヤヤサンが賑わうときがあるのかどうか気になった。マザラン夫妻は子供向けのおもちゃなんかを見てあれこれ言っていた。
それから5、6軒のショッピングモールへ行った。どれも同じようなかんじでやっぱり人が少ない。

途中でおみやげ屋に寄った。ブルネイみやげは港じゃ買えないだろうからここで買うことにした。おれは絵はがきとか買って、マザランはブルネイの紙幣とかコインとかがセットになったのを買っていた。

ランチはどっかのショッピングモールのフードコート。ミーなんとかっていう炒飯みたいなのを食べた。まぁ味は良くもなく悪くもなく。ここでもマザランはおごってくれた。
16時くらいにおやつってことで、バナナの天ぷらを食べた。もちろん彼らも天ぷらが日本食であることは知っていたが、日本ではバナナを天ぷらにしないと言ったらすげぇ驚いていた。味はやっぱりミスマッチ。いったい誰がどこでこんな間違いをしたんだか…。

狭い国なだけにマザランはあっちこっちで友達とばったり会っていた。友達が多いのか、総人口が少ないのか。偶然にいとこにまで会って紹介された。でも会う人、会う人みんないい人。嫌な雰囲気はまるで伝わってこない。

マザランとおれは同じ理工系、しかも電気・情報系同士ってことでそっちの話はよくあった。研究の話とかしてもなんとなくはわかってくれるし。おれの持っていた電子手帳やデジカメにはマザランも興味津々だった。使わなくなったら送ってくれ、とまで言っていたね。

18時頃、東南アジア一大きい遊園地ジュルドンパークに来た。ただでかいだけであんまり客はいないとは聞いていた。ぜひその客のいなさを見たいと思っていたら、この日は休園日でほんとに人がいなかった。でも警備員のお兄ちゃんに頼んで、入口だけ入れてもらってマザラン夫妻と3人で記念写真。イスラム教徒だから写真は嫌がるかなと思ったら、全然そんなそぶりは見せずに応じてくれた。昔、ブルネイは厳格なイスラム教国で映画館すらない、とか聞いてたのに映画館やら遊園地やら娯楽も豊富だし、厳格とはほど遠い感じ。マザランにそのことを話したら、おれの中での変なイメージが覆ってくれて喜んでいた。

車で走っている途中、住宅地に建つ家を見てマザランが言った。あの家は毎月15000円、それを15年払い続ければ自分のものになる、と。1階は駐車場、2階と屋根裏が住居といったかんじのシンプルな家だが、それにしても安すぎる。さすがはオイルマネー。日本人の別荘にいいかもしれない。
そして、マザランの二番目のお姉さんの家に寄った。アメリカのような庭が広くて大きな家。しかも塗装なんかが面白くておしゃれ。あいにくお姉さんは留守のようで家の外観だけ見せてもらって後にした。
次に一番上のお姉さんの家へ。こちらはマンション。玄関はないが靴は脱ぐシステムだった。家に入ってすぐがリビング。そのリビングで積み木みたいなので遊んでる娘がいた。小学生くらいだろうと思っていたら、どうやら19歳らしい。マジでびびった。そしてお姉さんの登場。こちらもカジュアルながら顔以外の部分は覆っていた。テレビではNHKを見れるってことでつけてくれた。田舎の映像が出てきて、「わかるか?」とマザランに聞かれたがまるでわからなかった。確かに海外に来ておきながら、自分の国のこと知らないなんて恥ずかしい。そんなこんなでお菓子やらジュースでもてなしてくれて皆で写真を撮って帰った。(とある住宅街

夕食は中華料理店で照り焼きチキンライス。食欲があまりなかったためかおいしくはなかった。やっぱり東南アジアの料理はおれには合わないのか。ここでもマザランはおごってくれた。

そして別れのとき。街の中心にあるブルネイホテルに送ってくれた。ここのすぐ近くにバスターミナルがある。マザランは「明日送って行きたいけど、明日から子供たちの学校が始まるから行けない」ってことで、おれが港へ行きやすいようバスターミナルに近いこのホテルを選んでくれた。おれもこの日のホテルは予約してなかったしちょうど良かった。チェックインして、部屋を見たいためか、マザランも部屋までついてきた。そして部屋を出る際に、さっき寄ったおみやげ屋で買ったブルネイマネーのセットをプレゼントしてくれた。住所とサインを添えて。びっくりして涙が出るくらいうれしかった。こんなに人に親切にされたのは久しぶりだ。なんとうれしいことだ。今日、半日おれのために付き合ってくれてメシも全部おごってくれて最後にはお土産までくれるなんて。おれはただただありがとうしか言えなかった。
車まで見送って、半分泣き出しそうだったが、最後は笑顔で別れた。見知らぬ外国人にこんなに温かくしてくれるなんて、ブルネイ人最高だよ。

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コメント (1)

更新時間が被ったか(笑)。
人がとても親切で、あまり疑う必要の無い場所というのは本当に楽しいね。親切にしてくれるマザランの嬉しそうな顔はなんとなく想像がつくよ。
しかし彼らは何でこんなに親切なんだろう? 俺も外国人にはなるべく親切にしてあげよう。

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2006年04月06日 22:03に投稿されたエントリーのページです。

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