寝坊した。ちょうど部屋が東向きだったから水平線から上がる朝日を見ようと思っていたのに。でも外は雨混じりの曇りだから起きても見れなかったかな。急いでホテルの朝食を食べてチェックアウトした。重い荷物を引きずって駅まで20分ほど歩いた。
どうにか間に合いチュニスに帰る電車に乗った。チュニスまで2時間。もう2時間の移動なんて長くは感じなかった。
10時半過ぎに到着。1泊目と同じホテルにチェックインし、洗濯をしてからカルタゴへ向かった。地球を見る限り、大したことはなさそうだたけど、チュニジアで唯一と言ってもいいくらい名前を聞いたことのあったところだし、とりあえず行ってみた。実際、ほとんどの遺跡の保存状態が良くなく、まぁ期待通りだったけど、来たってことが大事。そう自分に言い聞かせて、シディ・ブ・サイドに行った。ここはチュニジアンブルーで有名なリゾート地。晴れていれば青が際立ってすごい綺麗らしいけど、あいにく曇りでさほどではなかった。
そんなかんじで当初の計画にあった見たい町は全て見た。チュニスに戻って土産物を探した。べつに自分のものではないから苦痛といえば苦痛だ。メディナで「ナカタ!ナカタ!」言われながら道を突き進み、だいたいの相場をつかんだ。グランドモスクまで来て、どっちに行ったらいいかわかんなくなっていると、近くの店の店員が「今日はグランドモスクは開いてないけど、素晴らしいテラスがあるから来いよ」と言ってきて言われるがままついていった。どうせ後で案内した代わりに何か買っていけと言われるのはわかっていたが。着いた先はどっかの店の屋上。確かにそこからはチュニス市街が一望でき、眺めは素晴らしかった。その店員ももう買ってもらった気になっているのか喜んでいた。帰ってそいつの店に行くとそこは香水屋だった。イスラムの匂いにはまるで興味がないからあっさり帰ってきた。当然、そいつは不機嫌そうにしていたが。
結局、何も買わずスーパーへ行った。とくに土産になりそうなのはなかったが、チュニジア産ビール(セルティア)は売っていた。イスラム国家だからであろう、アルコール類はスーパーの中ではなく、入り口の隣の小さな部屋で売られていた。その小さな部屋はイスラムの教えに背向いた男たちでいっぱい。しかもみんな悪いことでもしてるかのようにこそこそ買ってる気がした。袋も中が見えないような黒い袋になってるし。おれもみんなを真似てセルティアを3本買って帰った。
この日はチュニジア最後の夜。少しはいいもん食おうと思ってそれなりのレストランに行った。羊の肉のハンバーグを頼んだつもりが、出てきたのは肉ではなく玉子のかたまり。かなり萎えたがしかたなく全部食べた。結局、終わりまでこんなかんじだったかと恨みつつ、チュニジアの旅は終わった。